暑い夏、冷房費を少なく快適にすごすには日照のコントロールが一番
オートリホームブログをご覧の皆様、ごきげんよう!
新築営業部の北條です。
いやー、熱くなってきましたねー!!先日、コロナ対策完璧にしつつゴルフに行ってきたのですが、そこで事件が・・・
なんと、別のグループでラウンドしていた中年男性が、熱中症で意識不明となり、救急搬送されました。。。日照を侮ったばっかりに起きた事故だと思います。
今日は、そんな日照のお話。
日照を考慮して、高気密高断熱住宅を建築すれば、冬は暖房にそんなに頼らなくても、快適に暮らしていけるのですが、見落としがちなのは、夏の日照対策。
これを怠ると、とんでもなく暑い住宅が出来上がってしまいます。
なんせ、高気密高断熱住宅は、魔法瓶みたいなもの。夏の日照によって、どんどん部屋の温度が上がっていき、外が涼しくなっても、外気に影響されることがあまりない高気密高断熱住宅は、室温が下がっていきません。
では、高気密高断熱住宅に限らず、夏、冷房費をガンガン使わずに快適に暮らすためには大切な日照コントロールについて、書いていこうと思います。
家を温めるために、冬は最高なんですが、夏は・・・
温熱環境を考えると、冬に日照を多く取り入れられる計画を立てることは、非常に重要です。掃き出し窓一つで電気ストーブ1台分の熱を住宅に取り込むことができ、暖房費の削減に大きく役立ってくれます。
が、夏は・・・電気ストーブを室内でつける人なんていないですよね。
もし、日照の対策を何も取らずにガンガン日照が入る住宅を建築した場合、めちゃくちゃ夏熱い住宅が出来上がってしまいます。
冬の日照を積極的に入れつつ、夏の日照を極力カットするような計画が重要となります。
・・・じゃあどうやってそんな日照のコントロールすんのよ?と疑問に思われた方のために、新築時にできる対策、対策せずに建ててしまった方向けの、既存住宅でもできる対策をお伝えします。
新築住宅の場合の日射遮蔽対策
ほぼ真南に正対している窓の場合、日照対策として、庇がよく効きます。
60㎝くらい建物から庇を出しておけば、真夏の正午ごろの日照はほとんどカットしてくれます。
もし、南東や南西向きに住宅を建築しなければならない場合、庇があまり有効に働いてくれないので、それ以外の日射遮蔽を考えていかなければなりません。
庇以外の日射遮蔽
庇以外で日射を遮蔽することを考慮するのですが、建物のどこで遮蔽するか、できるかが問題です。
一階の窓であれば、すだれや葦簀などで簡単に建物の外部で日射遮蔽できますが、2階の場合、外部ブラインドなどを取り付けていないと、あとから外側で遮蔽するのは困難です。
外部で遮蔽するのが困難な場合、カーテンなどで内部遮蔽することを検討するのですが、やはり外部で遮蔽するほうが、夏の日射には有効ですので、忘れずに対策しておきたいところです。
既存住宅の日射遮蔽対策
既存住宅の場合、外付けブラインドや庇などを取り付けるのが困難なため、基本的にはすだれや葦簀、後付けアウターシェードなどで、1階の日射は遮蔽し、2階の窓からの日射はカーテンに頼ることになります。
新築時にLow-Eガラスを採用していない場合、窓ガラスに直接貼れる日射遮蔽フィルムを施工し、入ってくる日射をカットしたうえで、カーテンで遮光するという方法も有効です。
内と外での日射遮蔽効果の違い
ここで、建物の内側で遮蔽した場合と外側で遮蔽した場合、どのくらい効果が違ってくるのか見ていきたいと思います。
屋外でなにも遮蔽するものがない状態で1㎡の平面に当たる日射を1とした場合、どれくらい軽減できるのかを表したグラフを見てみましょう
内部で遮蔽した場合、光自体はカーテンで遮光できるのですが、日照によってカーテン自体はどんどん温められます。で、その熱せられたカーテンの熱はどんどん室内に放出されていきます。
なので、日照を遮って温められるものが、建物の外部にあるほうが、より日射による熱を遮ることができるのです。
ということで、少ないエネルギーで快適に暮らすためには日射のコントロールが大事だということがお分かりいただけたかと思います。
これから新築住宅を計画する際には、ぜひ冬も夏も最適な日射のコントロールができるように図面を書いてもらってくださいね!
過去の記事
住宅の気密性能(C値)と計画換気の話