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高気密高断熱住宅の快適さの秘密は「体感温度」と「相対湿度」

オートリホームブログをご覧の皆様、ごきげんよう。

新築営業部の北條です。

そろそろ雨もうっとうしくなってきましたので、さっさと梅雨明けしてほしい今日この頃。

10年前に建築した自宅や、一昨年建築したオートリホーム社屋はこんな時期でも非常に快適です。

それは、しっかり気密化し高断熱化しているから。

この記事では、なぜ高気密高断熱住宅が快適なのか、湿度と温度の面から掘り下げていきますので、高気密高断熱住宅にすでにお住まいの方で、快適さの理由がわからない方、これから建築する方で、快適な住宅にお住まいになりたい方は是非読んでみてください。快適さの秘密がわかるかもしれません。

部屋の温度は高いのに、なんか寒い理由

夏なのに、冬の話で申し訳ないのですが、みなさんはエアコンを25度設定でガンガン運転しているのに、なんかずーっと寒い。。。という体験、したことないですか?

こちらの記事でも少し書いていますが、エアコンが効かない家は基本的に低気密、低断熱な建物です。

隙間があるので、温めた空気がどんどん上昇し上部の隙間から漏れていき、かわりに冷たい外部の空気が足元の隙間から入ってくるので、ぜんぜんエアコンが効いた感じがしません。

でももう一つ理由があるのです。

それは、建物の表面温度が低いから、室温が高くても寒く感じてしまいます。

寒さの理由は体感温度

よく冬の天気予報などで、「今日は風が強いので、体感温度は氷点下並み」などとお天気キャスターがしゃべってるのを聞いたことがあると思います。

人間の温度センサーは結構優秀で、室温や気温が高くても、気流などによって暑く感じたり、寒く感じたりしてしまいます。

冬の室内の体感温度は次のような式で表すことができます。

体感温度 = ( 表面温度 + 室温 ) ÷2

ということは断熱性能の低い建物に住んでいる方は、壁や床、天井、窓などが外気に影響されてずーっと冷たいままなので、いつまでたってもエアコンが効いてないように感じてしまいます。

高気密高断熱住宅が暖かく感じる理由

体感温度が上のような式で決まる以上、高断熱化した住宅と低断熱の住宅では同じ室温まで温めたとしても、体感する温度は大きく違います。

例えばこんな家があったとします。

家の大きさは同じで、室温も同じ。表面温度だけ変えています。

それぞれの住宅の体感温度を計算してみます。

左側の住宅は、表面温度平均が13.2度、室温が20度なので

(13.2+20)/ 2 = 16.6度

右側の住宅は、表面温度平均が20.2度、室温が20度なので

(20.2+20)/ 2 =20.1度

となり、同じ室温でも右側の住宅のほうが体感温度がたかく、暖かく感じることができます。

これが高断熱住宅と低断熱住宅にもそのまま当てはまり、おなじ室温20度であっても、高断熱住宅のほうが暖かく感じる理由です。

ちなみに、高断熱住宅と同じ体感温度にするには、左側の住宅では室温を27度(!)まで高めなけらばならず、けっこうなフルパワーでエアコンを運転しなければなりません。

そうすると、電気代もかかりますし、乾燥したように感じますしってことで、エアコン嫌いのひとが増えてくる理由の一つとなっています。

じめじめした時期でも快適な室内にするためには気密化が必須

もうひとつ、快適さを高めてくれる要素として、湿度が重要です。

梅雨時期にじめーっとしてうっとうしいのは、室内の相対湿度が人間が快適だと思うゾーンから外れているから。

快適な湿度とは? | 加湿機のかしこい選びかた | 加湿機 | Panasonic

パナソニックホームページから引用

上の図にもあるように、相対湿度40%から60%が人間にとって快適であると感じられるゾーンです。

つまり、梅雨時期は家の中に入ってくる湿気をどんどん外に出してやる必要があります。

エアコンの弱冷房除湿や再熱除湿機能をもちい、空気中に含まれている水分を外に放出してやるのがいいのですが、ここで問題が。

気密性の低い住宅では、せっかく外部に水分を放出しても、隙間から水分を含んだ外気がどんどん侵入してきます。

温度も湿度も基本的には高いところから低いところに流れ込んできます。

第一種換気が湿度コントロールの要

エアコンでせっかく快適な空気環境を作ったとしても、24時間換気の種類によっては、快適な空気環境を台無しにしてしまうこともあります。

住宅に使われる換気システムは、主に二つ

第三種換気と第一種換気。

このうち第三種換気は、自然吸気のため、外部の調湿されていない空気をそのまま室内に取り入れるため、せっかく除湿した室内に湿気がどんどん取り込まれていきます。

第一種換気の場合は、全熱交換型と顕熱交換型があるのですが、全熱交換型は室内の湿気はそのまま室内にもどし、外部からの空気は、湿気を取り除いて室内に取り込みます。

顕熱交換型は、室内の空気を外部に放出する際、湿気も一緒に放出してくれます。外部からの空気は、湿気を取り除いて室内に取り込みます。

どちらのタイプの一種換気を選択しても、夏、調湿された室内の環境はキープしてくれます。

ただし、気密がちゃんととれている場合です。

しっかり第一種換気システムを働かせるには

この記事でも書きましたが、計画通り換気するためには、気密がめちゃくちゃ重要です。

すかすかの気密が取れていない住宅では、給気口と排気口以外から空気が出たり入ったりしますので、気流が乱れ、高気密の住宅と比べると、換気量が減ってしまいます。

換気量が減るということは、せっかく高価で高機能な第一種換気システムを入れたとしても、効果が得られません。

しっかりした気密をとり、C値0.7程度は確保したいところです。

人間が快適と感じる「温度」と「湿度」とは

ということで、ここまで温度と湿度の話をしてきました。

人間が快適と感じる温度と湿度のレンジはこんな感じです。

この図のピンク色の部分に室内の温度と湿度をコントロールしてやれば、人間は快適だと感じ、健康的に過ごせます。

夏と冬では着衣量が違いますので、快適だと感じる室温と湿度が変わります。

夏だと、24度から27度、冬だと20度から24度に室温を設定し、相対湿度を40%から60%のゾーン収めれば快適です。

気密をしっかりとり、一種換気を採用したとしても、夏は除湿、冬は加湿をしっかり行わないと、このレンジには収まりません。

とはいっても、設備やエアコンだけでコントロールすると、電気代に跳ね返ってきてしまいますので、やはり建物でできることは建物でコントロールし、足りない部分を設備やエアコンで補うのが、生涯住居費を下げるためにも必要だと思います。

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