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住宅の気密性能(C値)と計画換気の話

オートリホームブログをご覧の皆様、新築営業部の北條です。

相変わらずうっとうしい天気が続きますが、晴れた日などはだんだん夏らしくなってきましたね!夏は大好きな季節。なんせ、キンキンに冷えたビールが美味しすぎて。。。

で、ビール好きな(?)皆様は目にしたことがあると思いますが、夏、キンキンに冷えたビールをジョッキにそそぐと、ジョッキの周りに水滴がついてびしょびしょになりますよね?

あれが結露です。

住宅の窓回りや下手したら壁の中もあんな感じで結露することがあるのですが、本日はそんな結露やシックハウスを防止するための計画換気と住宅の気密性能についてお話していこうかと思います。

計画換気とは?

では、まず計画換気とはなんなの???というところから、説明していきたいと思います。

20年ほど前、シックハウス症候群が社会問題となっていました。

シックハウス症候群とは

「シックハウス症候群」をご存じですか?むかしと違って、いまの家には化学物質がいっぱいです。たとえば、防シロアリ剤、防カビ剤、合板や壁紙の接着剤など、数え上げるのが大変なくらいです。建物の耐久性を高めたり、住まいを快適にするためのものですが、逆にこうした化学物質に過敏に反応して具合が悪くなってしまう人も出てきたのです。これが「シックハウス症候群」で、化学物質過敏症ともいいます。

日本医師会ホームページより引用

この問題を解消するために、シックハウス対策に係る改正建築基準法が、平成15年7月1日から施行されました。

この改正で、建物の内装に使われる建材が発するホルムアルデヒド等の発散量が規制され、なんでもかんでも内装に使うことができなくなりました。

また、ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具やカーテンからの発散があるため、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられました。

住宅の居室には、換気回数0.5回/h以上(二時間で1回すべての空気が入れ替わる)の機械換気設備(いわゆる24時間換気システム等)の設置が必要となりました。

余談ですが、中古住宅を検討する際は、この法改正以後の物件を購入することをおすすめします。

先ほど太字で書いた換気回数を実現するために、計画換気が必要となります。確認申請を提出する際、この換気回数をどのように実現するのか、換気計算に基づく換気計画を承認してもらいます。

換気システムによる違い

で、その計画換気を実現するために、24時間換気システムなるものを装備するのですが、住宅に使われるシステムには主に2種類、一種換気と3種換気というものがあります。

それぞれの換気システムについて、掘り下げてみます。

第一種換気(機械給気、機械排気)のメリットデメリット

ではまず一種換気の説明から。

第一種換気換気システムとは、住宅に取り入れる空気も、住宅から排出される空気も換気扇などによる機械で強制的に吸排気するシステムです。

第一種換気のメリットは、ほとんどのシステムがセントラルユニットを経由して空気が行き来するため、吸気する際に空気をフィルターを通し、花粉やPM2.5などの微粒子を除去したクリーンな空気を住宅に取り入れてくれます。

また、セントラルユニットを通過する際、熱交換素子というものを吸排気ともに通過させ、熱交換を行いますので、住宅の冷暖房効率が上がります。

デメリットとして、ダクトが天井裏や床下を各居室まで通るため、配管をするスペースが必要となり、場合によっては天井高が下がったりします。このデメリットを回避するために、ダクトレス一種換気なるものが登場していますので、気になる方は検討してみてください。

あと、第三種換気と比べると、熱交換や空気清浄などの機能が付いているため、システム自体の金額が割高となります。

第3種換気(自然吸気、機械排気)のメリットデメリット

第三種換気システムのメリットは、装置自体が単純で、配置計画が容易な点と、第一種換気と比べるとシステム自体が安価であるため採用しやすいというメリットがあります。一種換気のように、ダクトを配管する必要がないため、天井高や梁掛けを気にせずに済むという設計上のメリットもあります。

反面、高性能なフィルター(pm2.5除去できるレベル)をつけられないので、第一種換気と比べると、クリーンな空気を取り入れにくいのと、熱交換を行わないため、外部の熱い空気や、冷たい空気をダイレクトに建物に取り込んでしまうため、冷暖房効率が悪くなります。

高気密高断熱住宅に適した計画換気

高気密高断熱住宅には、どちらの換気システムがあっているのか?という観点から考えてみると、第一種換気を採用するほうがメリットが多いと思います。

理由は、高気密高断熱住宅のメリットである、冷暖房効率が良いという点、隙間が少なく外部からの空気の流入が非常に小さいという点と、一種換気のメリットがマッチしているから。

せっかく、冷暖房にコスト(電気代等)をかけずに快適な環境で住める住宅をつくったのに、その快適な環境に外部の熱コントロールされていない空気をダイレクトに取り込むのはあまり得策とは言えません。

また、全熱交換型の第一種換気では湿度のコントロールも行ってくれるので、夏も冬も快適な相対湿度で暮らせるというメリットも高気密高断熱住宅にはマッチします。

気密性能と換気量の関係

ここまで、換気装置と計画換気について書いてきましたが、やっと本題です。

では、建物の気密性能(C値)が計画換気にどのように影響していくのか、詳しく見ていきましょう。

気密性能が低いと狙い通り換気できません

皆さん、ストローでジュースを飲むことを想像してください。

もしそのストローの横側にところどころ小さな穴が開いていたとすると、ジュースを効率的に吸うことができるでしょうか?

では、今想像したストローを住宅に置き換えて考えてみます。

想像を単純化するため、給気口、排気口ともに一か所しかない住宅をイメージしてください。

こんな感じの給排気口が一か所しかない住宅。

高気密化された住宅は途中に穴の開いていないストローであるといえます。なので、狙った量、給気口から空気を吸えますし、狙った量、排気口から空気を送り出すことができます。

一方、気密化されていない住宅は、ところどころに穴が開いていますので、そこから空気が出入りしてしまい、計画通り換気できません。

空気が入ってくるならいいじゃん!と思ったかたもいるかもしれませんが、途中に穴が開いていると、その付近で空気が勝手に入れ替わってしまい、換気量が下がってしまいます。

この動画が気密住宅と気密化されていない住宅の換気量の差がわかりやすいのでご紹介しておきます。

このように、計画通り、快適な換気量を確保するためにも、一種換気の性能を生かすためにも、最低でもC値1を下回る住宅にする必要があります。

オートリホームでは、すべての住宅に対し気密測定を行い、C値0.7を下回る住宅となっているか検査を行っています。建物の形状や断熱材、気密処理の仕方、間取りによって、C値は全然変わってきます。あるモデルハウスで検査を行ってC値1を下回ったとしても、建築する建物がそうなっているかどうかは、計測してみないとわかりません。なので、オートリホームは全棟気密測定を行っています。

ぜひ住宅建築の際には、自分の家のC値がいくらになっているのか、こだわってみてください。

 

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