住宅ローンの金利タイプとは?タイプごとの借り入れ方法・注意点をわかりやすく解説
購入にあたり、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。
住宅ローンを利用し、一定の条件をクリアすれば、住宅ローン減税制度(正式名称:住宅借入金等特別控除)が適用され、所得税や住民税が控除されます。令和3年(2021年度)は現行から3年延長し13年間控除がうけられることもあり、住宅購入に踏み切る方もますます増えてきました。
現代では、インターネットで様々な情報が手に入りますので、営業担当者や金融機関に相談するまでに自分であらかじめどんな商品があるか知っておきたいと思われる方も多くなってきました。
どの金融機関で住宅ローンを組むか検討する上で一番気になるところは、やはり金利だという話をよく耳にしますが、金利は低ければ低いほど月々の返済額が減るので、なるべく低い金利で住宅ローンを組みたいという方がほとんどではないでしょうか。
ただ、単純に融資時の適用金利が低いというだけで商品を選んでしまうと、結果的に総支払額が増えてしまうこともあるので、それぞれのタイプのメリット・デメリットを把握した上で選ぶことが重要です。
そこで今回は、金利のタイプについて解説していきますが、どのタイプが自分たちのライフプランに合っているか、返済計画に無理はないか、などチェックしてみてください。
住宅ローンの金利タイプは3種類
住宅ローンの金利タイプは、全期間固定金利型・固定金利選択型・変動金利型の3種類に分類されます。
金融機関によって商品の詳細は異なりますが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認し、知識を深めてみましょう。どのタイプのメリットを取るか、またデメリットをクリア出来るか、など自分たちに合ったタイプはどのタイプかをイメージしながら見てみてください。
また、住宅購入・住宅ローンを検討するのを機に、今後起こるであろうライフイベントについて、家族と話し合ってみるのもおすすめです。
それでは早速、全期間固定金利型から見ていきましょう。
全期間固定金利型
全期間固定金利型とは、名前の通り、全期間において金利が固定されているタイプのことを指します。
借入期間中の金利が一定に固定されており、月々の返済額が最初から最後まで同額であることが特徴です。
CMなどで『フラット35』という商品名を見たことがある方もいらっしゃると思いますが、これは住宅金融支援機構が各金融機関と提携して扱う商品のことを指します。
金融機関が独自で取り扱っている全期間固定金利型との大きな違いとして、フラット35は団体信用生命保険の加入は任意であるというところです。
団体信用生命保険に加入しなくても住宅ローンの借入は出来ますが、契約者に万が一亡くなってしまった場合、住宅ローンの残債分を遺族が相続する場合があるので注意が必要です。
それでは、全期間固定金利型を利用する際、他にどのような特徴があるでしょうか。
・全期間固定金利型のメリット
・全期間固定金利型のデメリット
これから、全期間固定金利型のメリット・デメリットに焦点をあてて解説していきます。
全期間固定金利型のメリット
全期間固定金利型は、最大35年間に渡って金利が変わらないので、月々の返済額が一定で返済計画を立てやすいことが大きなメリットといえます。
景気に左右されない為、のちのち金利が上がっても、月々の返済額が増えることはありませんので、長い目で見て安心感があります。
金利動向を確認するのが得意でない方や、返済途中で返済額が上がると家計面で困る方には、全期間固定金利型を選択すると良いでしょう。
全期間固定金利型のデメリット
全期間固定金利型のデメリットは、他のタイプと比べて金利が高く設定されていることです。
また、適用金利が全期間で一定の為、のちに金利が下がったとしても、その恩恵をうけることができないこともデメリットのひとつです。
2021年時点では低金利が続いているので、全期間固定金利型を選ぶ方は少なくなってきています。メリットである安心感を利息として払っているようなイメージですので、金利変動に不安がある方に向いているプランであるといえます。
固定金利選択型
3年、5年、10年などの一定期間ごとの金利を選ぶことができるのが、固定金利選択型です。
全期間固定金利型だと全期間に渡り金利が高めに設定されていますが、このタイプは当初選択した年数について優遇幅(サービス金利)が大きくなるので、これから教育費などで出費が増える可能性が高い場合は、このタイプがおすすめです。
期間終了後には、変動金利に自動的に変更または再度固定金利を選択することができます。
全期間固定金利型と、変動金利型の良いとこ取りのようなプランともいえるでしょう。
・固定金利選択型のメリット
・固定金利選択型のデメリット
それでは、固定金利選択型のタイプのメリット・デメリットを確認していきます。
固定金利選択型のメリット
固定金利選択型は、初回の固定期間中は優遇幅が多く設定されているため、全期間固定金利型と比べ、適用金利が低くなることがメリットです。
選択期間中は金利が変わらないので返済額も同額となり、返済計画も立てやすいこともメリットといえます。
「10年間は子どもの教育費にお金がかかるから、スタートは10年固定金利で低金利を適用し、出費が落ち着く予定の10年以降については適用金利が上がっても対応出来るだろう」といった方や、「今は子育てに時間を取りたいから妻は仕事をしていないが、数年後共働きになったときは再度プランを見直す余裕が出来る」といった方に固定金利選択型を選ぶと良いですね。
固定金利選択型のデメリット
固定金利選択型のデメリットは、一定期間終了後に優遇幅(サービス金利)が少なくなるため、同一期間の固定金利を選択したとしても、次の適用金利が高くなる可能性が高いことです。
また、ふたたび固定金利型を選択する場合は、手続きの煩わしさや手数料の負担などがある点もデメリットといえます。
変動金利型
変動金利型の金利は、短期プライムレートを基準として決められています。
一定期間(一般的に半年に1度)ごとに金利見直しがありますが、返済額は5年間同額で、その間に金利の変動があれば、返済額の見直しがあります。
返済額の見直しは5年ごとに行われますが、金利の変動がなければ返済額ももちろん据え置きです。
国土交通省が行った調査によると、民間住宅ローン利用者の6割以上が変動金利型を選んでいるという結果が出ており、金利変動に対する不安感は少ないものと考えられています。
参考:国土交通省「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査」
・変動金利型のメリット
・変動金利型のデメリット
以上の性質を踏まえ、変動金利型のメリット・デメリットをまとめます。
変動金利型のメリット
変動金利型の最大のメリットは、前述の2種類の金利タイプと比べて金利が低いことです。
半年に1回金利見直しがある為、リスクが高いように見えますが、ここ10年以上金利は変わっていませんし、むしろ金融機関ごとで独自に出している優遇幅(サービス分)が年々増えています。したがって、実質の適用金利はどんどん低くなっているのが現状です。
今後もまだまだ低金利が続いていく状態にありますので、現在固定金利で住宅ローン返済している方は借換えを検討されても良いタイミングであるといえるでしょう。
変動金利型のデメリット
変動金利型は一定期間(通常半年)ごとに金利の見直しの可能性があるので、もし金利が上がった場合、想定より元本が減らず、5年後の返済額見直しの際に返済額が増える可能性があります。
この点については別途ルールが設けられており、5年ごとの返済額見直しの際に返済額が上がる場合でも、前の返済額の125%までを上限とするという、125%ルールが存在します。これは、5年後に返済額が多額になってしまい、返済が出来なくなってしまうことを防ぐためです。
さらに、住宅ローンの返済期間が終了しても返済額の調整によって元本が残っている場合は、一括返済する必要があります。ほとんどの金融機関がこのルールを採用していますが、一部ネット銀行ではこのルールが無いところもあるようなので、変動金利型を選ぶときは必ず確認するようにしましょう。
ここまで、全期間固定金利型・固定金利選択型・変動金利型の3種類のタイプを見てきました。
もし、ひとつに決めきれないという方は、3種類をミックスできるプランを扱う金融機関もあります。「全期間固定金利型+変動金利型」、「固定金利選択型+変動金利型」などいったように、複数のタイプを組み合わせておくことで金利変動をリスクヘッジすることができます。
まとめ
住宅ローンを利用する上で、選べる金利のタイプを知っておくことはとても重要です。
市場金利が上昇すれば住宅ローン金利が引き上げられ、市場金利が下落すれば住宅ローン金利も引き下げられます。要するに、景気が良くなれば金利が上がり、逆に景気が悪くなれば金利は下がります。日々景気や金利などの動向をチェックしておけば、住宅購入して数年後、より自分たちに合った商品が出てきて借り換える、ということもスムーズに対応出来ますね。
高額な借入であり、また長期に渡って返済していくローンとなりますので、どのタイプの金利の商品を選ぶかによって総支払額に差が出ます。あらかじめ支払計画をしっかり立てることも必要です。
また、自分たちの知識だけで住宅ローンの商品を決めてしまうのではなく、ぜひその道のプロに相談してみてください。プロに相談することで、金利情報だけでなく、繰上返済に手数料がかかるかどうか、ネットでプラン変更が出来るか、何か相談したいときに窓口は近くにあるか、などいろんな視点で住宅ローンを選ぶことができます。
満足した商品に出会える確率がぐんと上がるきっかけになるので、その都度気になることは金融機関や販売会社に相談してみましょう。きっと力になってくれるはずです。
もちろん、オートリホームでも住宅ローンに関するご相談を承っております。
提携している金融機関も多数あり、ご質問にも迅速にお答えできる体制をとっております。
住宅・住宅ローンのプロとして、ひとりひとりに合ったプランを提案させていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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