持ち家と賃貸はどちらが得?それぞれのメリット・デメリットや20-50代でみたおすすめをわかりやすく解説
持ち家と賃貸住宅では、一生でトータルするといくらかかるのか気になる人は多いのではないでしょうか。
新しい住まいを探す理由は人それぞれですが、結婚や出産、転職などの人生の節目をきっかけに考える人が多いです。
その時期になると賃貸に住み続けるのが良いか持ち家を購入するか悩む人も増える傾向にあります。
今回は、持ち家と賃貸住宅では、どちらがお得に暮すことができるのか、またメリット・デメリットについて解説します。
新しい住まい探しの参考にしてください。
住まいの選択肢:賃貸
まずは、住まいの選択肢の1つである賃貸について解説していきます。
・賃貸のメリット
・賃貸のデメリット
メリット・デメリットを押さえておきましょう。
賃貸のメリット
賃貸のメリットについて解説していきます。
賃貸のメリットを押さえて、自分に合っているか検討しましょう。
気軽に引っ越せる
賃貸住宅の一番のメリットは「気軽に引っ越せる」ことです。
勤務先が変わったり、お子さんの学校が変わったりしても通勤や通学に便利な場所に引っ越すことができます。
また、近所の人とトラブルになったとしても引っ越すことで解決できます。
住宅設備が壊れたとしても大家さんが負担する
賃貸住宅は自分の所有物ではないため、元々付いていたエアコンや給湯器などの住宅設備が故障したときの修理代は大家さんが負担します。
さらに、大きな地震で部屋が損壊しても入居者は損失を補填する必要はないため持ち家のように損失を受けることがありません。
固定資産税を支払う必要がない
賃貸住宅では家賃を支払う必要はありますが、固定資産税や住宅ローンなどにお金を支払う必要がありません。
また、マンションの管理費用や修繕積立金などの費用もかからないので、毎月の負担を減らすことができます。
賃貸のデメリット
次に、賃貸のデメリットも解説します。
メリットだけでなく、デメリットも併せて押さえておきましょう。
高齢になると借りにくくなる
住宅ローンであれば最長35年で返済することができますが、家賃は住んでいる間払い続けなければなりません。
老後の年金暮らしになると、家賃の負担は大きくなるでしょう。
また、年金以外の収入がないと借りられる物件は限られてしまいます。
さらに保証人については、家賃保証は保証会社にお金を払って用意できたとしても年を重ねるほど身元保証人が求められることがあります。
もし、身元保証人を頼める人がいない場合は契約の更新を断られてしまうこともあります。
自分好みにリフォームできない
賃貸住宅ではリフォームができないのはもちろん、壁紙を貼り替える、釘を打つなどの行為は禁止されています。
そのため自分の好みのお部屋にするのは難しく、用意されたお部屋で暮らすことになります。
最近ではDIYができる賃貸物件も現れていますが、そのほとんどは築年数が古く原状回復ができない家となっています。
ファミリー向けの物件が少ない
賃貸住宅の間取りは1ルームから広くても3LDKが中心となっていて、4LDKやそれ以上の部屋数がある物件は珍しくなります。
特に都市部ではファミリー向きの物件が少なく、お子さんが多い世帯にとっては広さを確保した物件を探すのが難しくなるでしょう。
設備が整っていないことがある
賃貸住宅の設備は大家さんが決めるため、物件によって大きく違います。
特に築年数の経っている物件では、インターネットの環境が整っていない、コンセントの数が少ない、電気を使うとすぐにブレーカーが落ちてしまうといったことが起こりがちです。
退去時に原状回復費用が必要になる
賃貸住宅では借り主が退去するときに原状回復を行なう義務があります。
原状回復は入居前の状態に戻すという意味です。
家具を置いていた場所の床のへこみや家電製品の後ろの壁紙の黒ずみ、壁紙の日焼けなどは経年劣化に当たるとして、原状回復義務はありません。
一方で、日常生活を行なう上でできたキズやタバコのニオイなどは通常摩耗、経年劣化のどちらにも当てはまらないため、借り主側で負担する必要があります。
住まいの選択肢:持ち家
次に、持ち家という住まいの選択肢について解説していきます。
- 持ち家のメリット
- 持ち家のデメリット
メリット・デメリットを押さえておきましょう。
持ち家のメリット
持ち家のメリットを解説します。
持ち家のメリットを押さえて、自分に合っているか検討しましょう。
資産になる
持ち家最大のメリットは「資産になる」ということです。
住宅ローンが完済すれば、支払いの負担が大きく減り、資産となって子世帯に相続することができます。
建て替えやリフォームが自由にできる
持ち家の場合は賃貸物件よりも好条件で好みに合った物件に住むことができます。
新築の戸建てであれば、最新の設備や安全基準を備えた家が多く、古くなればリフォームできるため自由にカスタマイズして住みやすい空間に仕上げられます。
団体信用生命保険が利用できる
団体信用生命保険は略して「団信」とも呼ばれ、ローンの債務者が死亡、または高度障害状態になったときに、保険金で住宅ローンの残高が完済される保険です。
ローンの商品によっては金利が上乗せされないプランもあり、気軽に加入できます。
団信に加入すれば、万が一のことがあったとしても家族に住宅ローンの負担が残らないため、賃貸住宅にはない安心感を得ることができます。
持ち家のデメリット
次に、持ち家のデメリットも解説します。
メリットだけでなく、デメリットも併せて押さえておきましょう。
気軽に引っ越せない
持ち家を購入してしまうと、気軽に引っ越しがしにくくなります。
万が一転勤や近所とのトラブルがあったときでも、ほかの土地に移りにくいです。
ただし、ローンを借りている金融機関の承諾があれば、持ち家を賃貸に出して、自身は別の場所に住み替えることができます。
居住費の調節ができない
賃貸住宅の場合家賃が高いと感じたら、賃料が安い物件に住み替えることができますが、持ち家の場合は毎月一定の割合をローンで支払い続ける必要があります。
また設備の経年劣化によるメンテナンス費用や、毎月の固定資産税なども長期間にわたって支払わなければなりません。
被災するリスクがある
持ち家の場合は火災や台風、地震、津波などの自然災害に備える必要があります。
備える方法として火災保険や地震保険に加入する方法が一般的です。
しかし、保険料の支払いが増える一方で、カバーしきれない分に関しては自分で負担することになってしまいます。
一生賃貸に住む場合かかる金額
一生賃貸に住み続けた場合、いくらかかるのか解説します。
世帯主の年齢が30歳で0歳のお子さんが一人いる場合、お子さんがまだ小さいためはじめは1LDKか2LDKに入居します。
賃料は月10万として、敷金・礼金・その他の費用で賃料の3ヶ月分に当たる30万円を支払います。
入居した後は2年に1度更新料として家賃の1ヶ月分がかかります。
13年後にはお子さんが中学生になるため、今まで住んでいたところでは手狭になり3LDKの物件へと引っ越します。
賃料は15万円として入居のときの費用は上記と同様に設定します。
さらに、10年経つとお子さんは大学を卒業すると同時に家を出ます。
そうすると住んでいる物件が広すぎるため夫婦2人で暮すために賃料12万円の2LDKに引っ越して寿命の80歳になるまでずっと住み続けます。
このときかかる金額の総額は7,642万円となります。
家賃だけで7,240万円となり、更新料は291万円、敷金・礼金などで111万円かかるため、意外と多額の費用がかかります。
50年間の総額 | |
家賃 | 7,240万円 |
敷金・礼金などの費用 | 111万円 |
更新料 | 291万円 |
合計 | 7,642万円 |
持ち家購入で一生にかかる金額
では、持ち家の場合だと一生にかかる金額はいくらになるでしょうか。
一生でかかる金額はいくらの物件を買うかで左右されますが、ここでは4,000万円のマンションを買ったと計算します。
世帯主とお子さんの年齢は賃貸の場合と同じ設定で、住宅の購入時に一割に当たる400万円を支払い、住宅ローンの借入や登記料などのその他費用で購入価格の3%、ここに修繕積立基金の30万円がかかるとします。
そして、これに管理費用や修繕積立金などを加味します。
持ち家では設備の経年劣化があるので、入居から20年経ったところで一度200万円のリフォームを行なってから老後まで住み続けます。
そうすると持ち家で一生にかかる金額の総額は7,130万円と、賃貸に比べ500万円ほど低い金額に収まる計算となります。
50年間の総額 | |
入居するときの費用 | 650万円 |
入居した後の費用 | 1,850万円 |
リフォーム費用 | 200万円 |
住宅ローンの返済額 | 4,430万円 |
合計 | 7,130万円 |
シミュレーションでは、賃貸よりも持ち家の方が安く収まりましたが、実際には家賃や住宅の価格によってトータルの金額は大きく左右します。
そのため自分のライフスタイルに合った住宅に住むように考えましょう。
年代別に見る賃貸と持ち家のおすすめ度
上記の通り賃貸と持ち家では一生でかかる金額は大きく変わってきます。
また、持ち家の方が比較的金額を抑えて住むことができます。
ただし、持ち家を購入する時期は非常に重要となるので、ここでは年代別に賃貸と持ち家のおすすめ度を解説します。
・20代
・30代
・40代
・50代
賃貸と持ち家のおすすめ度:20代
20代は若く、まだ就職して間もない頃なのでライフスタイルが安定しません。
まずは、賃貸住宅に暮らすことをおすすめします。
ただ20代でローンを組むと返済期間を長期に設定しやすく、毎月の負担が抑えられると言うメリットはあります。
就職してから3年経っていてライフスタイルが非常に安定している人は持ち家の購入を検討してもいいでしょう。
賃貸と持ち家のおすすめ度:30代
30代は働き盛りで、ライフスタイルも安定してくる時期です。
そのため仕事と家庭のバランスが取れる住まい選びが重要となります。
職場に近い賃貸に住むのもいいですし、お子さんがいるのであれば、幼稚園や小学校の近くで持ち家を購入してもいいでしょう。
ただし、30代になると住居費用以外にもお子さんの教育費用などが増えていくため、無理なローンを組んでしまうと、毎月の負担が大きくなってしまいます。
余裕を持って返済できるように計画を立てましょう。
賃貸と持ち家のおすすめ度:40代
40代になるとお子さんも大きくなって、大学卒業とともに家を出る家庭では家族全員で過ごす時期はわずかになります。
そうすると夫婦2人が家に残るので、この時期は夫婦で住めるような住宅を選ぶといいでしょう。
賃貸に住んで、お子さんが独立してから老後の持ち家を購入するという方法もあります。
ただローンを組むには年齢的に返済期間をあまり長く設定できないので、頭金を多く入れるなどして、ローンの負担を減らすように工夫しましょう。
賃貸と持ち家のおすすめ度:50代
50代になると定年退職も近くなるため、シニアライフに向けて準備を進めましょう。
理想の老後の暮らしがある場合には、立地や部屋数を考慮した住宅を選びましょう。
持ち家がある場合には老後に備えてバリアフリー化のリフォームを行なうようにしましょう。
まとめ
資産価値の面で見ると賃貸住宅はどれだけ長く住んだとしても、自己資産になることはありません。
そのため賃貸住宅に資産価値はありません。
持ち家の場合はローンを完済してしまえば、土地と建物の両方が自己資産になります。
売れば現金に換えることもできますし、賃貸物件として貸し出せば収入を得ることもできます。
ただし、持ち家では近所のトラブルがあったり、転勤があったときでも気軽に引越すことは難しくなってしまいます。
家を売却するときにはすぐに買い手が見つかるわけではないので、ある程度の時間がかかってしまいます。
その点賃貸住宅では元々住んでいた部屋を解約し、新しい部屋を契約したらすぐに引っ越すことができます。
持ち家と賃貸を比較して解説してきましたが、一概にどちらが良いとは断言できません。
どちらに住むかどうかはご自身のライフスタイルによって判断しましょう。
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