一戸建ての維持費はいくらかかる?年間費用をシミュレーションで比較
マイホーム購入を考える上で、考えるべきことはたくさんあります。
毎月の返済プランはもちろんのこと、月々の返済以外にも必要な維持費用を把握しておかなければ、急な出費に対応できません。
そこで今回は、一戸建ての維持費用について解説していきます。マイホーム購入を検討中の方は、ぜひとも最後までお付き合い下さい。
そもそも一戸建ての維持費とは?
一戸建ての維持費用は、税金・修繕費用・保険費用の3つに分類されます。
維持費用がほとんどかからない賃貸住宅からの住み替えを検討中の方は、想定外の出費とならないように、それぞれの内容を把握しておきましょう。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 修繕費用
- 保険費用
順番に解説します。
固定資産税
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地・建物の所有者に課税される地方税のことです。
一戸建ての場合、土地と建物それぞれの合計金額を支払う必要があります。
固定資産税評価額は購入金額の7割前後であり、土地・建物それぞれに軽減措置があります。
したがって、実際の納税額は上記計算式よりも少なくなるでしょう。
都市計画税
都市計画税は、毎年1月1日時点で市街化区域内の土地・建物の所有者に課税される地方税のことです。
市街化区域内の不動産にだけかかる税金なので、事前に不動産会社や市町村に確認しておきましょう。
固定資産税同様に軽減措置がありますので、一戸建ての場合、実際の負担は上記計算式よりも少なくなります。
修繕費用
修繕費用には、室内の小修理から外壁など大規模な修繕が含まれます。
新築の一戸建ての場合、30年後までに発生する修繕費用を想定して、自分たちで積み立てをしておかなければ、急な出費に対応できません。
定期的なメンテナンスだけでなく、住宅設備の入れ替えや外壁塗装などに備えて、修繕計画を立てておくことが重要です。
保険費用
一戸建ての保険費用には、火災・地震保険が挙げられます。
法律上の加入義務はありませんが、火災保険は住宅ローン借入の条件となるので、必ずかかる費用と考えてよいでしょう。
補償内容や建物の構造により、保険費用は異なりますので、自分たちに合ったプランを選ぶことが重要です。
一戸建ての維持費は年間で約29~42万円かかる
年間維持費用 | 30年間の維持費費用 | |
固定資産税 | 10~15万円 | 300~450万円 |
都市計画税 | 3~5万円 | 90~150万円 |
修繕費用 | 15~20万円 | 450~600万円 |
保険費用 | 1~2万円 | 30~60万円 |
概算合計費用 | 29~42万円 | 870~1,260万円 |
一戸建ての維持費用は年間で約29〜42万円を想定しておきましょう。
敷地の広さや建物の大きさにより、維持費用は大きく変わりますし、所有期間も年間の維持費用に影響を与えます。
納税額の決定については、自分たちでできることは少ないものの、修繕費用や保険費用はある程度コントロールすることが可能です。
一戸建てを立てる際は、メンテナンス費用を含めた生涯費用も比較検討の対象にして下さい。
一戸建ての維持費を実際にシミュレーション
一戸建ての維持費をシミュレーションを用いてまとめています。
どの程度の費用が発生するかを考えながら、資金計画を立てることが重要です。
尚、シミュレーションには『2020年度フラット35利用者調査データ(土地付き注文住宅)』を用いています。
- 都内の新築一戸建て
- 全国の新築一戸建て
- 徳島県の新築一戸建て
順番に解説します。
都内の新築一戸建て
初年度の年間維持費用 | |
固定資産税 | 3,462×0.7×1/6×1.4%=5.6万円(土地)
2,648×0.7×1/2×1.4%=12.9万円(建物) |
都市計画税 | 3,462×0.7×1/3×0.3%=2.4万円(土地)
2,648×0.7×0.3%=5.5万円(建物) |
修繕費用(積み立て) | 15万円 |
保険費用 | 1.5万円 |
都内の新築一戸建ての初年度の維持費用は、上記の表の通り合計約43万円です。
東京都内では、土地取得費用が高く、税金が全体の維持費用を押し上げる結果となりました。
土地・建物の取得費用は、納税額に大きな影響を与えることに注意が必要です。
全国の新築一戸建て
初年度の年間維持費用 | |
固定資産税 | 1,436×0.7×1/6×1.4%=2.3万円(土地)
2,961×0.7×1/2×1.4%=14.5万円(建物) |
都市計画税 | 1,436×0.7×1/3×0.3%=1万円(土地)
2,961×0.7×0.3%=6.2万円(建物) |
修繕費用(積み立て) | 15万円 |
保険費用 | 1.5万円 |
全国平均の新築一戸建ての初年度の維持費用は、上記の表の通り合計約41万円となりました。
土地取得費用は東京都に比べ安いものの、建築費用が高いため合計の維持費用に大きな差はありません。
ただし、建物の減価補正による調整が進めば両者の差は開き始めます。
徳島県の新築一戸建て
初年度の年間維持費用 | |
固定資産税 | 904×0.7×1/6×1.4%=1.4万円(土地)
2,926×0.7×1/2×1.4%=14.3万円(建物) |
都市計画税 | 904×0.7×1/3×0.3%=0.6万円(土地)
2,926×0.7×0.3%=6.1万円(建物) |
修繕費用(積み立て) | 15万円 |
保険費用 | 1.5万円 |
徳島県の場合、初年度の維持費用は合計約39万円となりました。
税金部分は全国平均と比較して若干安いものの、それほど大きな差はありません。
税金部分の負担は、敷地の広さや住宅のグレードによって変わります。
維持費用も参考にして、予算を立てることをおすすめします。
一戸建てとマンションの維持費を比較
一戸建てとマンションの維持費を比較していますので、マイホーム購入の参考にして下さい。
- マンションの維持費
- 一戸建てと維持費の生涯コストを比較
順番に解説します。
マンションの維持費
マンションの維持費用は、管理費・修繕積立金・駐車料金などが挙げられます。
管理費には、公租公課・管理人人件費・共用設備の保守費用などが含まれ、修繕積立金は外壁など共用部分の大規模修繕を計画的に実行するための費用です。
基本的に管理組合主導となりますが、専有部分の修繕については、自分たちで計画を立てて費用を準備しなければなりません。
一戸建てと維持費の生涯コストを比較
一戸建て | マンション | |
固定資産税 | 300~450万円 | 240~300万円 |
都市計画税 | 90~150万円 | 60~120万円 |
修繕費用 | 450~600万円 | 200万円 |
保険費用 | 30~60万円 | 20~30万円 |
管理費 | なし | 540万円 |
修繕積立金 | なし | 400万円 |
概算合計費用 | 870~1,260万円 | 1,460~1,590万円 |
上記の表は30年間の維持費用をまとめたものであり、一戸建ての方が維持費用が安いことが分かります。
管理費の負担が主な要因であり、修繕積立金とは別に専有部分の修繕費用の準備が必要であることにも注意して下さい。
一戸建ての維持費を抑えるポイント
一戸建ての維持費を抑えるポイントをまとめていますので、自分たちの暮らしに合うものを取り入れて、家づくりに臨みましょう。
- 簡単な修繕や手入れは自分で行う
- メンテナンスフリーの建築材を選んでおく
- 必要な修繕工事は早く済ませる
順番に解説します。
簡単な修繕や手入れは自分で行う
一つ目のポイントは、簡単な修繕や手入れは自分で行うことです。
外壁や防水工事は専門業者に依頼するべきですが、小規模な壁紙や床の張替えは自分でやれば節約に繋がりますので、挑戦してみるものよいでしょう。
メンテナンスフリーの建築材を選んでおく
メンテナンスフリーの建材を選ぶことも維持費用を抑えるポイントの一つです。
建築費用が高くなるかもしれませんが、修繕頻度が減ることで、長い目で見れば節約に繋がります。
必要な修繕工事は早く済ませる
修繕頻度を減らすことは維持費用の節約に繋がります。
ただし、必要な修繕工事を後に回すと被害が広がり、余計な費用が発生する可能性があるので注意しましょう。
特に、目に見えにくい防水関係の工事には注意が必要です。
一戸建ての維持費に関するよくある質問
一戸建ての維持費に関するよくある質問をまとめています。
他の方の疑問点を自分たちに置き換えて考えてみましょう。
- 家の修繕費がない場合はどうすればいい?
- 一戸建てを修繕しないとどうなる?
- 一戸建ての修繕に適切な時期はいつ?
順番に解説します。
家の修繕費がない場合はどうすればいい?
手元に資金が無い場合は、リフォームローンの利用を検討して下さい。
ただし、利息など余計な出費が発生しますので、予め修繕計画を立てて費用を積み立てておくことが重要です。
一戸建てを修繕しないとどうなる?
修繕内容にもよりますが、被害が拡大して余計な費用が発生したり、住めなくなったりするという最悪のケースも想定しなければなりません。
使わない住宅設備や普段の生活で目に見える範囲であれば問題ありませんが、防水工事などは定期的なメンテナンスが求められます。
一戸建ての修繕に適切な時期はいつ?
一戸建ての修繕に適切な時期は、物件により異なります。
修繕時期の見極めについては、自分だけで判断せずに、建築会社のアフターメンテナンス部門の意見を取り入れることをおすすめします。
まとめ:一戸建ての維持費の目安を事前に把握しておこう
マイホームの購入では取得費用だけでなく、維持費用も重要なポイントです。
毎月の住宅ローン返済額に加え、税金や修繕費用を合計した金額を住宅費として、家計のやり繰りをして下さい。
そのためには、一戸建ての維持費用の目安を事前に把握しておくことが重要です。
オートリホームでは、住宅の資産価値を高め、住み心地を良くするメンテナンスを提案しています。
一戸建ての維持費用にお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。