コラム COLUMN

耐震等級3はいらない?耐震性を決めるポイントやメリットを解説

家づくりでは、間取りやデザインなど考えるべきことが多く、住宅の耐震性能についても一定の配慮が求められます。

住宅は建てて終わりではなく、住み始めてからが本番であり、安心・安全に住むためにも忘れてはいけないポイントの一つです。

そこで今回は、耐震等級3の必要性や耐震性を決めるポイントについて解説しますので、マイホーム購入を検討中の方は、ぜひとも最後までお付き合い下さい。

【この記事でわかること】

  • そもそも耐震等級とは
  • 耐震等級3はいらない?
  • 耐震等級の耐震性を決めるポイント4つ
  • 耐震等級3のメリット
  • 耐震等級3のデメリット
  • 耐震等級3の構造計算
  • 耐震等級に関するよくある質問

そもそも耐震等級とは

耐震等級 とは

耐震等級とは、住宅の耐震性能をランク付けした等級のことで、地震による倒壊や損傷のしにくさの目安として用いられています。

損傷防止と倒壊等防止の観点から、以下の通り3段階の等級が設けられていますので、自分たちの暮らしに必要な耐震性能を考えながら見ていきましょう。

  • 耐震等級1
  • 耐震等級2
  • 耐震等級3
  • 耐震等級3相当

順番に解説します。

耐震等級1

耐震等級1は、数百年に一度程度発生する地震(震度6強~7)に対して倒壊・崩壊しない程度の耐震性能を備えており、数十年に一度程度発生する地震(震度5強)に対して損傷を生じない程度の耐震性能を備えています。

耐震等級2

耐震等級2は、等級1より1.25倍の耐震性能を誇ります。

学校や病院などの避難場所として想定される建築物に多い等級であり、長期優良住宅では耐震性において、耐震等級2以上の強度が求められることを覚えておきましょう。

耐震等級3

耐震等級3は、等級1より1.5倍の耐震強度を誇り、消防署や警察署などの防災施設の基準に用いられる最高等級とされています。

将来発生が予想される大地震に対する防災意識の高まりを受け、耐震等級3を標準仕様とするハウスメーカーが増えていることに注目です。

耐震等級3相当

耐震等級3相当とは、等級3相当の設計と施工をしているものの、住宅性能評価機関の正式な認定を受けていない住宅に用いられる表現です。

建築費用を抑えるために申請はしていないものの、申請すれば認定を受けられますので、自分たちの家づくりに認定が必要かどうか検討して下さい。

耐震等級3はいらない?

耐震等級3 いらない

耐震等級1であっても、自分たち家族の生命が脅かされる事態は想定しにくいものの、住宅の資産価値を守るためには、耐震等級3が必要であるといえます。

熊本地震における被害状況の報告書を見ると、平成12年10月以降の木造建築物301棟の内、倒壊7棟・大破12棟に対し、耐震等級3の木造建築物16棟の中に倒壊・大破したものがなかったことが理由の一つです。

軽微な損傷に留まれば、地震被害の後も安心して住めますので、住宅の資産価値を守るためにも、耐震等級3の取得をおすすめします。

耐震等級の耐震性を決めるポイント4つ

耐震等級 耐震性 ポイント

耐震等級の耐震性を決めるポイントを以下の通りまとめていますので、概要を把握して自分たちの家づくりに取り入れて下さい。

  • 建物の重量
  • 耐力壁の数
  • 耐力壁や耐震金物の配置
  • 床の耐震性能

順番に解説します。

建物の重量

一つ目のポイントは、建物の重量が軽いほど耐震性能を強化しやすいことが挙げられます。

地震のエネルギーは、建物の重さに比例することが理由であり、建物が軽ければ地震の揺れに対しての振り幅が小さくなるからです。

耐力壁の数

耐力壁の数を増やすことも効果的な手段の一つです。

耐力壁は建築物において、地震や風などの水平荷重に抵抗する能力を持つ壁のことで、耐力壁が多いほど耐震性能の向上に繋がることが理由です。

ただし、単純に増やすのではなく、バランスよく効果的に配置しなければ、費用の無駄となりかねませんので注意して下さい。

耐力壁や耐震金物の配置

耐力壁は建物の形状によって必要な量は変わりますし、捻じれなどの力に対抗するためにはバランスよく配置することも重要です。

また、木材の継ぎ目などを耐震金物で補強することも耐震性能の向上に繋がりますので、必要な強度を計算して適切に配置して下さい。

床の耐震性能

床の耐震性能が建物全体の強度に繋がることも忘れてはいけません。

柱と壁がしっかりしていても、床が弱ければ、耐力壁の強度が発揮されないことが理由です。

尚、耐震等級2以上を取得する場合には、床の強さを表す指標である床倍率のチェックが必要となります。

耐震等級3のメリット

耐震等級3 メリット

耐震等級3のメリットをまとめていますので、自分たちの暮らしにどのように役立つかをチェックしておきましょう。

  • 震災に強い住宅になる
  • フラット35Sの金利Aプランでローンが組める
  • 地震保険料が半額になる

順番に解説します。

震災に強い住宅になる

耐震等級3を取得する一つ目のメリットは、震災に強い住宅になることです。

自分たち家族の生命だけでなく、住宅の資産価値を守ってくれることは先に述べた通りであり、安心・安全に住み続けることを考えると必要な水準といえるでしょう。

フラット35Sの金利Aプランでローンが組める

フラット35Sの金利Aプランでローンが組める点も、費用面でのメリットといえるでしょう。

耐震等級3の住宅は上記の適用要件を満たしますので、当初10年間金利の引き下げを受けられることが理由に挙げられます。

地震保険料が半額になる

地震保険が半額になることも、耐震等級3を取得するメリットの一つです。

耐震等級3の割引率は50%と費用負担が半分になりますので、長期的に見ればお得になるといえるでしょう。

耐震等級3のデメリット

耐震等級3 デメリット

一方、耐震等級3の取得にはデメリットも存在します。自分たちの家づくりにどのような影響があるかを考慮して、認定を受けるかどうか判断して下さい。

  • 建設費が高くなる
  • 間取りが希望通りにならない可能性がある

順番に解説します。

建設費が高くなる

一つ目のデメリットは、建築費用が高くなることが挙げられます。

耐力壁や耐震金物などを増やすことがコストアップに繋がる可能性があるものの、標準仕様で耐震等級3を採用する建築会社であれば、それほど大きな影響はないでしょう。

間取りが希望通りにならない可能性がある

間取りが希望通りにならない可能性があることもデメリットの一つです。

壁を増やしたり、柱や梁を太くしたりするなど、部屋の配置に制限が出ることが理由です。

建築会社の腕の見せ所ともいえますので、家づくりの優先順位を決めた上で、建築会社に相談して、理想の住まいを目指して下さい。

耐震等級3の構造計算

耐震等級3 構造計算

耐震等級3を取得する際の構造計算は主に以下の通りです。

  • 壁量計算
  • 許容応力度計算
  • 壁量計算より許容応力度計算の方が耐震性が高くなる

順番に解説します。

壁量計算

壁量計算とは、建物にかかる地震力・風圧力に対して必要な壁量を満たしているか確かめる計算方法です。

許容応力度計算

許容応力度計算とは、柱や梁の1本1本、基礎に至るまで全ての部材にかかる力を計算する方法のことです。

費用と時間はかかりますが、建物の安全性を担保する計算方法といえるでしょう。

壁量計算より許容応力度計算の方が耐震性が高くなる

壁量計算より許容応力度計算の方が耐震性が高くなることを覚えておきましょう。

同程度の住宅を設計するケースでは、詳細な作業が必要な許容応力度計算の方が多くの耐力壁を必要とする計算結果が出ることが理由です。

安心・安全の住まいを実現するためにも、許容応力度計算を実施している建築会社を選ぶことをおすすめします。

耐震等級に関するよくある質問

よくある質問

耐震等級に関するよくある質問をまとめていますので、他の方の疑問点を自分たちの家づくりに置き換えて考えてみましょう。

  • 耐震等級の確認方法は?
  • 耐震等級の申請方法は?
  • 耐震等級3を取得している住宅の割合はどれくらい?

順番に解説します。

耐震等級の確認方法は?

これから新築住宅の建築を検討している方は、建築会社のホームページなどをチェックしてみましょう。

その際に、許容応力度計算を実施していると記載があれば、住宅性能に力を入れていることの証明となり得ます。

耐震等級の申請方法は?

住宅性能評価の申請が必要となりますので、建築会社に耐震等級を取得したい旨を伝えて下さい。

申請者は誰でも構いませんが、必要な書類が多いため、費用を惜しまず建築会社に依頼することをおすすめします。

耐震等級3を取得している住宅の割合はどれくらい?

徳島県単独のデータではありませんが、住宅性能評価制度による耐震等級3を取得している方の割合は約92%であり、ほとんどの方が耐震等級3を取得していることが分かります。

2020年度戸建て注文住宅の顧客実態調査より引用

耐震等級の知識を身につけて地震に強い家を建てよう

まとめ

家づくりの優先順位は人それぞれであるものの、耐震等級の知識を身に着けることは、自分たちの暮らしに必要な耐震性能を把握することに繋がります。

また、耐震等級3を取得するメリットは色々とありますが、一番の目的は安心・安全な住まいを実現することであり、耐震等級の概要を把握して地震に強い家を目指して下さい。

オートリホームでは、全棟許容応力度計算に基づき耐震等級3を取得しています。地震に強い家をお求めの方は、お気軽に見学会へ足をお運び下さい。

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