高気密・高断熱住宅のメリットは?建てる際の注意点も詳しく解説
高気密・高断熱住宅は、外の気温の影響を受けにくく家の中で快適に過ごせるのが特徴で、家づくりにおいて多くの人に選ばれています。
マイホームを持つことを検討している人は、高気密・高断熱住宅についての理解を深めておくことで、より良い家づくりを実現できるでしょう。
今回は、人気の高気密・高断熱住宅のメリットについて、注意すべきポイントも含めて詳しく解説していきます。
そもそも高気密・高断熱住宅とは
そもそも、高気密・高断熱住宅とはどのようなものなのでしょうか。
高気密・高断熱住宅とは、その名の通り、気密性と断熱性の両方において高い性能を持つ住宅のことをいいます。
- 高気密住宅
- 高断熱住宅
まずは、高気密住宅と高断熱住宅について、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
高気密住宅
高気密住宅とは、建物にできる隙間を最小限に抑えた住宅のことで、家の外側と内側とで空気が出入りしにくい構造となっています。
一般的な住宅では隙間ができてしまう部分について、気密シートや防湿テープなどを用いて物理的に隙間を少なくしているのが特徴です。
高断熱住宅
高断熱住宅とは、家の構造に断熱材をたくさん使用することで、断熱性を高くした住宅です。
断熱性を高くする方法は、内断熱工法と外断熱工法の2種類あります。
内断熱工法は、外側と内側の壁の隙間に断熱材を取り入れることで、断熱性を高める工法です。
あくまで建物の構造における隙間に断熱材を詰め込む方法のため、仕上がりによっては多少の温度ムラができることもありますが、施工費用は比較的安く済むのが特徴です。
一方、外断熱工法は、建物全体を断熱材によって包み込んで施工し、より高い断熱性が期待できる工法です。
家全体を包むため温度のムラはできにくくなりますが、施工費用はやや高額になるという特徴があります。
高気密・高断熱住宅のメリット5選
高気密・高断熱住宅では、以下の5つのメリットがあります。
- 季節を問わず快適に暮らせる
- 電気代の削減に繋がる
- ヒートショックの危険性が減少する
- 換気性能に優れている
- 遮音性が高い
それぞれ具体的に解説していきます。
季節を問わず快適に暮らせる
高気密・高断熱住宅では、外の気温の影響を受けにくいため、季節を問わず快適な温度で過ごせます。
うだるような暑さの夏も、凍えるような寒さの冬も、エアコンに頼りすぎることなく快適に過ごせる点は大きなメリットです。
電気代の削減に繋がる
室内の温度を快適に保てる高気密・高断熱住宅では、冷暖房器具の使用頻度を通常の家と比べて減らせるため、電気代の削減に繋がります。
毎月の電気代を削減できるのは、家計にとって嬉しいポイントです。
ヒートショックの危険性が減少する
室内での気温差が激しい場合に起こるヒートショックの危険性が減少するという点も、高気密・高断熱住宅のメリットの1つです。
家の中の空間全体を快適な温度に保てるため、真冬に浴室やトイレだけが極寒になるような現象も避けられます。
換気性能に優れている
高気密・高断熱住宅では、家の気密性が高く隙間から空気が出入りしにくい代わりに、24時間換気システムが導入されるため、換気性能に優れているというメリットがあります。
無駄なく効率的に換気できることで、常に新鮮な空気を保てるでしょう。
遮音性が高い
物理的に隙間を少なくした構造となっていることから、家の遮音性が高くなっている点もメリットとして挙げられます。
また、構造にたくさん使用する断熱材も、音を吸収する性質を持つため、さらに家全体の遮音効果が高くなります。
周りとの騒音トラブルのリスクを軽減させることにも繋がる、嬉しいポイントです。
高気密・高断熱住宅のデメリット4選
高気密・高断熱住宅を検討する際には、デメリットを理解しておくことも重要です。
- 建築費用が高くなる
- 内部結露が発生しやすい
- 暖房器具が制限される
- 空気が乾燥しやすくなる
上記4つのデメリットが挙げられるので、1つずつ詳しく見ていきましょう。
建築費用が高くなる
高気密・高断熱住宅は、通常に比べて使用する断熱材の量が多く、レベルの高い施工技術も必要となるため、建築費用が高くなります。
ただし、住み始めた後の電気代削減も期待できるため、総合的に考えて検討することが大切です。
内部結露が発生しやすい
建築の際、断熱材の設置部分に隙間ができてしまうと、外の空気との温度差により内部結露が発生しやすくなる恐れがあります。
オートリホームの住宅では、内部結露を発生させないような換気と断熱で対策をしております。
暖房器具が制限される
高気密・高断熱住宅では、石油ストーブの使用が制限されています。なぜなら、建物の気密性が高いことから、家の中に一酸化炭素が発生してしまう危険性があるからです。
窓を開けて同時に換気しながらであれば使用可能ではありますが、できるだけエアコンなどの安全な暖房器具を使用するようにしましょう。
空気が乾燥しやすくなる
隙間が少なく、屋外から湿気が入り込むことも少なくなるため、家の中の空気が乾燥しやすくなる点には注意が必要です。
冬場は特に乾燥しやすくなるので、加湿器や洗濯物の部屋干しなどによる加湿対策も考えておくようにしましょう。
高気密・高断熱住宅を建てる際の注意点3つ
高気密・高断熱住宅を建てる際は、以下の3つの注意点を押さえておきましょう。
- 換気システムの選び方に注意する
- 地域に応じて窓ガラス・窓サッシを選ぶ
- 気密測定について確認する
それぞれ詳しく解説していきます。
換気システムの選び方に注意する
通常の住宅に比べて乾燥しやすいとされる高気密・高断熱住宅では、換気システムの選び方が非常に重要です。
換気システムは、単純な構造をした第三種換気システムと、高い機能性を持つ第一種換気システムの2種類に分類されます。
第三種換気システムに比べて、第一種換気システムの方が優れた換気性能を持ち、室内の空気をきれいな状態に保つ効果も高いのが特徴です。
オートリホームの住宅では、第一種換気システムを標準仕様として取り入れているので、高い換気性能が期待できます。
地域に応じて窓ガラス・窓サッシを選ぶ
高気密・高断熱住宅では、室内の温度が一定に保たれる分、窓から入る日差しの影響を受けやすいので、窓ガラスや窓サッシの選び方が重要になります。
例えば、比較的寒い地域では樹脂サッシと断熱型複層ガラスの組み合わせで断熱性を高めるのがおすすめです。
家を建てる地域に応じた窓選びを意識しましょう。
気密測定について確認する
高気密・高断熱住宅を建てる際、気密測定について確認することは重要なポイントです。
気密測定により確認できる数値によって、適した気密処理の方法や断熱材の取り付け方は異なります。
ハウスメーカーによって気密測定を行わないケースもありますが、オートリホームでは、1つ1つの家に応じて適切な施工を行うために、すべての住宅において気密測定を行っています。
高気密・高断熱住宅に関するよくある質問
ここでは、高気密・高断熱住宅に関するよくある質問を3つ紹介していきます。
- 高気密・高断熱住宅はカビが生えやすい?
- 高気密・高断熱住宅はエアコンなどにかかる光熱費をどれくらい軽減できる?
- 高気密・高断熱住宅をローコストで建てることはできる?
回答とあわせて解説していくので、参考にしてください。
高気密・高断熱住宅はカビが生えやすい?
高気密・高断熱住宅は隙間が少ない構造をしているため、適切に換気しなければ、家の中に空気がこもり、カビが生えやすくなることも考えられます。
しかし、現在は建築基準法により24時間換気システムの導入が義務付けられているため、故意にシステムを停止させない限り、適切な換気が行われ、カビの発生も抑えられます。
また、断熱材の施工の仕方が不十分だと、家の構造部分に湿気がたまりカビを発生させる恐れもあるため、できるだけ断熱材の施工に慣れている業者へ依頼することがおすすめです。
高気密・高断熱住宅はエアコンなどにかかる光熱費をどれくらい軽減できる?
高気密・高断熱住宅にした場合、光熱費は実際にどのくらい節約できるのか調べたところ、月平均で約5,000円の節約になることが分かりました。(オートリホーム調べ)
これをもとに、40年間住み続けた場合で考えると、合計で約250万円を超える節約に繋がることになります。
高気密・高断熱住宅をローコストで建てることはできる?
高気密・高断熱住宅の建築は、一般的な住宅の建築に比べるとコストがかかりますが、他の部分においてプランを工夫することでコストを削減できます。
例えば、家の形状をできるだけシンプルな形にして建築コストを抑えたり、取り入れる他の設備の内容を工夫したりすることで、ローコストで高気密・高断熱住宅を建てることも可能になります。
家づくりのプラン全体としてお金をかける部分をよく見極めることがポイントです。
ランニングコストの低い高気密・高断熱住宅を建てよう
高気密・高断熱住宅は、入居後のランニングコストを抑えられる魅力的な住宅です。
メリットやデメリットをよく理解した上で、高気密・高断熱住宅を建てることを検討してみましょう。
オートリホームでは、性能の高い家づくりにこだわっておりますので、マイホームを検討する際はぜひ一度ご相談ください。